教室日記

ひとりひとりに合った学び方 «過去の学習事例から»

今回は、何年か前に、大学の2次試験対策で受講していた、ある女性(Aさん)の英語学習についてご紹介します。当教室では新体制以降、受験関連の英語は基本的には取り扱っていませんが、それ以外の部分では以前とほぼ変わりなく対応しておりますので、教室の様子や授業の雰囲気を知るうえでの参考になるかと思います。

1年程海外留学していた経験のあるAさんは、逐一日本語に変換せずに英語を英語のまま理解する能力のある、英語が得意な方でした。しかし、彼女のめざしていた大学の2次試験の英語はかなり難しく、とりわけ長文問題の難易度が非常に高かったので、その対策に苦慮しているようでした。また、単語に強い苦手意識を持っており、語彙力不足もかなり気になっているようでした。

そんな状況のもとで、「単語力を強化しながら、2次試験の長文対策をしていきたい。」というご要望をいただきましたので、いろいろな長文問題を読みながら、そこに出てくる単語をできるだけ身につけていく方向で学習することになりました。

彼女によると、当時、高校の授業でよくおこなわれていた “単語テスト” にはかなり苦労していたようで、テストに出題される単語を覚えようと毎回頑張っていたものの、いつもなかなか覚えられなくて困っていた、と話していました。

私は、彼女に合う取り組み方を見つけ出す目的で、特に単語に関してはいろいろな切り口から授業をしていましたが、ある日、“語源” に焦点を当てた学習方法を紹介してみました。

英単語は「接頭語」「語根」「接尾語」という3つの要素から構成されています。

例えば、
performance 
という単語があります。

これを3つに分けると下記のようになり、それぞれに意味があります。

per– [接頭語:完全に] + form [語根:形作る] + ance [接尾語:こと]
= 完全に形作ること ⇒ 実行

アルファベットの羅列として英単語を見るのではなく、“語源” すなわち “成り立ち” にスポットを当てて、そこから生まれるイメージや構成から単語を捉えていくわけです。

当教室で学習し始めた頃のAさんは、こうした知識に乏しかったこともあってか、ある意味めくらめっぽう的なやり方で単語学習をしていたようです。

そんなときに語源の話をしたことになりますが、その時の様子から、彼女が語源というものに非常に引き込まれていることが私にもはっきりと伝わってきました。そこで、そのあとの授業時間の大半を使って、辞書を片手に二人でいろんな単語の語源について調べていきました。

するとAさんは数日後、英単語の語源に関する本を2,3冊と、それらの本を使って作成した単語ノートを抱えて授業にやって来ました。どうやら、前回の授業がきっかけとなり語源のことをもっと深く知りたくなった彼女は、ご自身で本を購入して一人でいろいろ調べてみたようです。

そんなことがはずみになったのか、それ以降は以前よりも集中して学習に入り込んでいましたし、2次試験直前の最後の授業の時には、「とても楽しかったです。短い間でしたが、今までで一番たくさんの英単語を覚えることができました。」という趣旨の感想も言っていただき、「本当によかったなあ」と思ったことを今でも鮮明に覚えています。

このように、「楽しい!」「おもしろい!」「もっとやりたい!」という気持ちが湧き出てくるようなやり方で学べれば、本人にストレスがかからずに学習がスムーズに進むため、非常に効率的で結果が出やすくなります。

しかし、効率性や結果と同等かそれ以上に価値があるのは、こうした学習を通して、“自分にもできる!” という自信が得られることや、“こんなことが得意だったんだ!” “こうすればうまくいくんだ!” という自分のプラスの特性に気づくことだと思います。

それは、英語学習という狭い領域を超えて、きっと、自分らしく豊かな人生を送るうえでの大きな助けになってくれるはずです。

本人に合った取り組み方は、今回ご紹介した単語学習という限られた分野一つ取ってもそれぞれに個性があり、皆違っています。

当教室では、その人に合ったやり方を見つけられるように、受講する方と講師とで力を合わせ、工夫をしながら、二人三脚で取り組んでいきます。


ご質問やご相談が自由にできる、無料相談会を実施しております。

当教室に興味を持たれた方は、どうぞお気軽にお申し込みください。

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